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2021年7月10日土曜日

フォームをリセット

 実家に帰って、久しぶりに姿見の前で練習する機会を得たのですが、2年程前に変えた尺八のフォームを元に戻すことにしました。尺八を縦に垂直に近く、つまり管尻を下ろしていたのから、以前のようにもう少し前方に斜めに構えるように直しました。なんだか、そっちの方が合っているみたいです。


琴古流は結構下向けに構える奏者が多いようなイメージがあり、都山出身・ネイティブ琴古ではない自分としてはそういうフォームに憧れがあった部分もあったのですが、色々な変遷を持つ自分の経歴は受け入れ、プレイアビリティを優先することにしました。


2019年5月3日金曜日

やっぱり内吹きかも

「内吹きから脱却」とか書きましたが、やはり自分は内吹きになっているのかなと思えてきました。

外側に吹いていると、長い本曲などが途中で持たなくなってくるのです。
唇やその周りが硬くなってくるというか…

加えて、息子がふざけて、僕が吹いている時に、管尻の方から息を吹き込むイタズラをしてきたのですが、やはり僕の息は管尻から出てきているらしいです。で、息子が吹き込んだ時には、息は歌口まで到達し、こちらの息が邪魔されて音が出ないということになる。小学一年生の息でもそれくらいの威力があるということは、結構大人の吹き込みだとガンガン管内に入っているんでしょうね。


結局、「内吹き」というか、歌口から管の内径に沿って吹き込むようなイメージに修正しました。吹き心地は、以前と大体同じような感じで、霧海ヂ鈴慕を通し吹きしても、違和感ないフィーリングでした。

最終的に死ぬまであれこれ吹き方は試行錯誤なんでしょうね。

2019年4月22日月曜日

「内吹きの呪縛」からの脱却

竹盟社の師範を返納してから、はや1年になります。

最近、ふと思うところがあって「内吹き」の意識をやめてみることにしました。
五郎先生、ひいては「竹盟社の吹き方」=「内吹き」みたいな、強い意識があったのですが、そういうのをやめてみようと思ったわけです。

これまで「内吹きでなきゃ」みたいな強い固定観念がありました。

「竹盟社の音色を出さなきゃ」と言い換えてもいいかもしれません。



…「内吹き」「外吹き」というのは何かと言うと、エアリード楽器においてはなぜ音が出るのかという話になりますが、要は歌口のエッジに空気が当たるとき、ほんのちょっと内側か外側かどちらかの空気量が多いそうですね。その差によって、振動が起こるんだそうな。その、内側が空気量が多いのを「内吹き」、外側が多いのを「外吹き」ということだそうです。

通常、「大きな音」というか、「ビィィィーーーーーン!!」と鳴らすのは外吹きのイメージというか、「外吹きの方がいい」という人も多いですね。それに対して内吹きは五郎先生のようなソフトで暖かいイメージがあります。勝手なイメージでしょうが。青木鈴慕先生も実は内吹きだそうだという話も聞いたことがあります。

見分け方としては、乙のロを吹いたとき、管尻にロウソクを近づけると火が消えるのが、内吹きらしいです。


で、長々と書いてきましたが、おそらく多分僕自身は「内吹き」が元のスタイルではないような気がする(これもあくまで「気がする」ですが)というか、「竹盟社の音色にしたいから、バリバリ内吹きを意識して無理に吹いていた」というのがあったわけです。そこからついに脱却できたということです。「管の内側に入れなきゃ!」という力みが取れたというか。そうすると、仕事帰りの疲れたときでも今までより音が出やすくなりました。

でも、ロウソクの実験はしてないので、本当の所どうなんでしょう。あぐらをかいて、管尻を足に近づけると、乙のロでは空気が管内を通って皮膚に当たっている感触はありますが。科学的ではないですね。


…なんにせよ、「思い込み」による「力み」が取れたのが、きっと1番の成果なんだと思います。

2018年7月16日月曜日

ベビーパウダー2

今日の練習で、アゴだけでなく尺八側のこの面にもベビーパウダーを塗っておくと、汗の滑り止めがより持続するらしいことが分かりました。

15分くらいは持ちそうです。猛暑下の環境では試してませんが…

※写真のブルーはベビーパウダーではなく、アプリによる着色です、念のため…


2018年6月26日火曜日

「アゴあたりの汗問題」解決へ向けての仮説

ここ数年の僕の悩みのひとつが、「アゴあたりの汗問題」すなわち、夏の演奏中に汗をかいて、尺八とアゴの接点(アゴあたり)がズルズルになり、音が出なくなるという問題でした。尺八はエアリード楽器のため、歌口に適切な角度で息のビームが当たり続ける必要があり、そのためには適切なポジションのアゴあたりが演奏中にキープされ続けなければなりません。しかし僕は汗かきのため、上記のような問題が発生してしまい、特に演奏時間の長い楽曲などで苦戦を強いられてきました。



そこで昨年思いついたのが「ベビーパウダー作戦」で、演奏前にアゴあたりにベビーパウダーを塗っておき、ズルズルを防ぐというものでした。この作戦で「而今の会」の『笹の露』に挑んだのですが、残念なことに10分くらいはもつのですが、中盤よりベビーパウダーの下から汗が染み出してきて、結局元の木阿弥になってしまいました。急遽、大庫さんからお借りした「両面テープ作戦」を思いつき、アゴあたりに両面テープを貼って固定(!?)という荒技に出たのですが、結果的にはこれも汗がしみると粘着力が低下してダメでした。『笹の露』では、「長い掛け合いのときにサッと汗を拭う」という、非常に原始的な作戦でなんとか最後まで乗り切りました



さて、いよいよ今年も夏がやってきました。「アゴあたりの汗問題」がトラウマになって、梅雨時期にしてはやくも練習中はクーラー全開です。そういう状況の中、夏のエアコンなしの会場での演奏機会にも備えなければという心の声も去来していたのですが

本日、思わぬところから、解決の糸口になりそうなヒント?がやってきました。それは「二尺」です。



Facebookの投稿では詳しく書いたりしたのですが、簡単に言うと一番最初の都山流の師匠、故・来田笙山師の遺品の二尺(都山管ですが)で最近『融』の練習をしていたのです。で、二尺を吹くと調子がいいので今日も練習の冒頭は二尺を吹いていたのですが、その時のアゴあたりのフィーリングが、いつもの吹料の八寸よりも「うすく」感じられたのです。そして、そのフィーリングで八寸を吹くと、なんだか吹きやすい!!

どういうことなのかなと考えながらあれこれ吹いてみたのですが、その結論として、アゴあたりを「面」として捉えるのではなく、内径のアゴあたり側を「エッジ」のように「線」として捉え、ナイフの刃先がアゴに接しているかのようなイメージを持てば、多少汗ばんでも音出しのフィーリングが変わらない、という仮説に行き着きました。

つまり、尺八がアゴに接している部分が、



から



へと変化したようなイメージです。


おそらく、「面」で接地場所を認識するよりも、「線」で認識したほうが、歌口と口の穴との位置関係がより一層精密になるのではないかと思うのです。


これはあくまで、今日までの段階で得た仮説なので、これから暑い場所で汗をかきながら吹く練習なども実際に行いながら、試行錯誤していきたいと思います。



ネットなんかで検索しても、なかなか尺八の「アゴの汗対策」なんて、載ってないんですよね。