2017年1月7日土曜日

【ジョイントweb演奏会:大庫こずえ・山口籟盟】『千鳥の曲』山田流本手・山口五郎先生手付尺八替手

【ジョイントweb演奏会:大庫こずえ(長野県)・山口籟盟(福岡県)】
『千鳥の曲』山田流本手・山口五郎先生手付尺八替手

Facebookでお知り合いになった、長野県在住の大庫こずえさん(山田流箏曲)と、福岡県在住の山口籟盟(琴古流尺八)による、「オンラインでの共演」です。

大庫さんと、再び「ジョイントweb演奏会」をさせて頂くことになりました。曲は、新春ということで『千鳥の曲』です。

前回の『秋の七草』で、久しぶりに山田流箏曲との合奏の楽しさを味わい、大庫さんの美しいお唄と爪音が心から離れず、もう一度共演のお願いをしてしまいましたところ、快く引き受けてくださいました。

選曲の過程で色々音源を聴くうちに出会ったのが、私が以前、とある恩人から頂戴した、『琴古流尺八・山口五郎の三曲〔山田流篇〕(Toshiba 1979)』というLPレコードです。このレコードの第3面に、唄・箏:中能島慶子、尺八:山口五郎の一面・一管での『千鳥の曲』が収録されていました。

久しぶりに聴いてみると、なんと箏は本手、尺八は手事の部分があの山口五郎先生手付の尺八替手という演奏になっていました。

五郎先生の「千鳥替手」といえば、1982年放送のNHK教育TV「尺八のおけいこ」の開始曲として尺八二重奏が使用されたり、コロムビアのCD『人間国宝シリーズ5、尺八・山口五郎』に尺八四重奏(ベースは本手・替手二重奏)として収録されるなど、その美しい旋律は大変印象的であります。『山口五郎の三曲』のLPを聴いて、「箏本手・尺八替手」の合奏もとても面白いと思い、大庫さんに相談して、今回の合奏の運びとなりました。

今回も、音源のやり取りやオーバーダビングしてのチェックなど「オンライン下合せ」を年末より重ね、この年始のタイミングで本番の撮影も仕上がり、このお忙しいシーズンにご一緒させていただいた大庫さんには大変感謝しております。大庫さん、本当にありがとうございました。

~共演者・大庫こずえさんよりコメント~
この曲は、山田・生田 どちらでも演奏されるゆえ、それぞれの音楽的特徴や違いがかえって良く分かるのではないでしょうか。
今回のweb演奏会、2回目の録音計画が丁度新年の時期と重なるということで お互いにこの曲が候補として意見一致しました。
かなり経験を積んだ曲ではありましたので 気持ちとしては不安はなかったものの 録音はなかなか思うようには運ばないものとあらためて感じ入った次第です。



『千鳥の曲』
幕末新箏曲。「古今組」5曲のうちの1曲。「古今和歌集」「金葉和歌集」から千鳥を扱った和歌二首を引用し、それぞれ下の句を反復。吉沢検校の勾当時代に作曲した胡弓曲を、安政2(1855)年に箏曲化したもの。手事はマクラ(序)・本手事からなる。波や千鳥の鳴声などを象徴的に描写する手が用いられることから、マクラを「波の部」、本手事を「千鳥の部」ということもある。胡弓入り合奏や尺八独奏曲としても行われる。

歌詞
しほの山、さしでの磯に住む千鳥、
君が御代をば八千代とぞ啼く、 君が御代をば八千代とぞ啼く
淡路島、かよふ千鳥のなく声に、
幾夜寝覚めぬ須磨の関守、 幾夜寝覚めぬ須磨の関守





Web Site & Facebook URL
大庫こずえ(Kozue Ohkura)

山口籟盟(Raimei Yamaguchi)

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