今回は、ちょっと実験的なweb演奏会を試みています。
有名な「千鳥の曲」手事・千鳥の部の、尺八本手・替手吹合せを
「多重録画」で再現してみました。
琴古流の「千鳥の曲」の楽譜には、末尾に「替手」が掲載されています。
箏の「千鳥の部」の替手が、そっくりそのまま尺八譜になっている訳です。
琴古流では、よくお稽古の仕上げとして、師匠と弟子とで吹合せをします。
本手・替手の吹合せをすると、自分自身の演奏をしっかりやらないと
相手の旋律につられてしまうため、よい稽古になるんですね。
この吹合せは、師匠と弟子とに限らず、尺八の人同士で楽しむにも
もってこいの合奏です。
今回のweb演奏会では、そうした楽しみ方をご紹介できたならということで
思いつきました。
しかし、やってみると、結構難しいものですね。
「本手・替手の吹合せ」とは、新曲や現代曲の「第1尺八・第2尺八」とは
異なり、物理的なテンポや拍子だけではなく「呼吸」や「間」を
合わせる必要があります。
録画に際して、まず最初に2つの動画のタイミングを合わせるための
「ベーシックトラック」のようなものを録音し、
それをイヤホンで聴きながら演奏したのですが、
こうした「呼吸」や「間」が、なかなか合わないです。
途中で、なんかいまいちかみ合っていないところがあるのは、
このためです。
「三曲」の難しさや面白味は、こうしたところから生まれているのだと
いうことを、あらためて感じることができ、とても勉強になりました。
ちなみに、録画から編集まで、すべてiPhoneのみで行いました。
2つの動画を撮影し、不要な部分をカットした後、
「iMovie」という付属の動画編集ソフトで2画面にしてかぶせました。
こういうことが、スマートフォンだけで手軽にできるのは、驚きですね。
ソフトの特徴がよく掴めないまま演奏を録画したので、
ちょっと画面のバランスがうまくとれませんでした。
次回「多重録画」に挑戦するときは、その辺りも改善したいと思います。
実験的な試みなので、ご覧になってのご意見・ご感想を
頂けましたら幸いです。
このブログのコメント欄や、メールにて、どうぞよろしくお願いいたします。
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