2019年1月2日水曜日

九州鈴慕

【九州鈴慕(Kyushu Reibo)山口 翔】
「鈴慕(れいぼ)」とは、尺八本曲の曲名・ジャンル名であり、古伝三曲の一つ「霧海篪鈴慕」と関係を持つ楽曲群を広く指すようです。

虚無僧に関する伝説「虚鐸伝記」に、普化宗の祖と仰がれる普化禅師が、中国・唐代に街中を鈴(鐸)を振りながら練り歩き「四打の偈」を唱えてまわったこと、それを慕った弟子の張伯が、その鈴の音を模して竹の笛を吹き、これが虚無僧尺八の源泉となったこと、などが記載されています。

この伝説に関連させて付けられた尺八の曲名「鈴慕」が生まれ、日本各地の虚無僧寺に伝わる楽曲の多くが「○○鈴慕」となったり、
単に「尺八の曲名」という意味をなす接尾語のように使われたりして、広まっていったようです。

「九州鈴慕」は、「九州地方に伝わる鈴慕」という意味に解釈できます。
実際にはいくつかの流派にそれぞれ違った伝承があり、「同名異曲」(名前が同じでも異なった楽曲)が複数存在する楽曲です。

琴古流本曲の「九州鈴慕」は、虚無僧寺の総本山である、下総小金・一月寺の本則、福田傳次(義好)より初世黒沢琴古が伝授されました。

平成30 1226日撮影

撮影機材:iPhone 8



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