第39回山口籟盟web演奏会【10分で琴古流本曲(26)「下り葉の曲」】
ふだんなかなか耳にする機会のない琴古流尺八本曲を、聴きやすい「10分程度」の演奏でお届けするシリーズです。
「裏の曲」6曲目は「下り葉の曲」です。
『琴古手帳』によれば、京都明暗時御門弟松山子より伝来した曲で、祇園祭礼の際に吹かれた楽曲だということです。
古くより一節切の曲名としても知られ、また根笹派錦風流にも同名の楽曲がありますが、詳しい関連はわかりません。
琴古流の「下り葉の曲」は、琴古流本曲としては拍子のはっきりとした曲であると同時に、個人的には旋律がとても美しい楽曲であると思います。「旋律の美しさ」でいえば、表の「秋田菅垣」や「虚空鈴慕」の後半部とならび、琴古流を代表する「美メロ」といえるのではないでしょうか。「新日本音楽」以降、西洋音楽に影響を受けた、「美メロ」の新曲は数多く存在しますが、この楽曲のような近世以前の純日本的な「美メロ」の美しさも、ぜひたくさんの方に聴いていただきたいところです。
なお、この「下り葉の曲」も、楽曲の前半部と後半部が「吹き合わせ」可能になっています。後半部の方が手が多く華やかで、まるで「替手」のような手付けになっています。音楽的な仕上がりを意識して作曲された楽曲と言えるでしょう。この曲も、抜粋なしで全曲通しです。
※「山口籟盟web演奏会」は、ふだんなかなか耳にする機会のない尺八音楽を、インターネット上で公開する取り組みです。
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