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2018年6月26日火曜日

「アゴあたりの汗問題」解決へ向けての仮説

ここ数年の僕の悩みのひとつが、「アゴあたりの汗問題」すなわち、夏の演奏中に汗をかいて、尺八とアゴの接点(アゴあたり)がズルズルになり、音が出なくなるという問題でした。尺八はエアリード楽器のため、歌口に適切な角度で息のビームが当たり続ける必要があり、そのためには適切なポジションのアゴあたりが演奏中にキープされ続けなければなりません。しかし僕は汗かきのため、上記のような問題が発生してしまい、特に演奏時間の長い楽曲などで苦戦を強いられてきました。



そこで昨年思いついたのが「ベビーパウダー作戦」で、演奏前にアゴあたりにベビーパウダーを塗っておき、ズルズルを防ぐというものでした。この作戦で「而今の会」の『笹の露』に挑んだのですが、残念なことに10分くらいはもつのですが、中盤よりベビーパウダーの下から汗が染み出してきて、結局元の木阿弥になってしまいました。急遽、大庫さんからお借りした「両面テープ作戦」を思いつき、アゴあたりに両面テープを貼って固定(!?)という荒技に出たのですが、結果的にはこれも汗がしみると粘着力が低下してダメでした。『笹の露』では、「長い掛け合いのときにサッと汗を拭う」という、非常に原始的な作戦でなんとか最後まで乗り切りました



さて、いよいよ今年も夏がやってきました。「アゴあたりの汗問題」がトラウマになって、梅雨時期にしてはやくも練習中はクーラー全開です。そういう状況の中、夏のエアコンなしの会場での演奏機会にも備えなければという心の声も去来していたのですが

本日、思わぬところから、解決の糸口になりそうなヒント?がやってきました。それは「二尺」です。



Facebookの投稿では詳しく書いたりしたのですが、簡単に言うと一番最初の都山流の師匠、故・来田笙山師の遺品の二尺(都山管ですが)で最近『融』の練習をしていたのです。で、二尺を吹くと調子がいいので今日も練習の冒頭は二尺を吹いていたのですが、その時のアゴあたりのフィーリングが、いつもの吹料の八寸よりも「うすく」感じられたのです。そして、そのフィーリングで八寸を吹くと、なんだか吹きやすい!!

どういうことなのかなと考えながらあれこれ吹いてみたのですが、その結論として、アゴあたりを「面」として捉えるのではなく、内径のアゴあたり側を「エッジ」のように「線」として捉え、ナイフの刃先がアゴに接しているかのようなイメージを持てば、多少汗ばんでも音出しのフィーリングが変わらない、という仮説に行き着きました。

つまり、尺八がアゴに接している部分が、



から



へと変化したようなイメージです。


おそらく、「面」で接地場所を認識するよりも、「線」で認識したほうが、歌口と口の穴との位置関係がより一層精密になるのではないかと思うのです。


これはあくまで、今日までの段階で得た仮説なので、これから暑い場所で汗をかきながら吹く練習なども実際に行いながら、試行錯誤していきたいと思います。



ネットなんかで検索しても、なかなか尺八の「アゴの汗対策」なんて、載ってないんですよね。

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