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2018年3月18日日曜日

「10分で琴古流本曲シリーズ」の収録を終えて

本日、「砧巣籠」「月の曲」「寿調」の3曲を収録し、「10分で琴古流本曲シリーズ」の全ての撮影が終わりました。

当初は「月に一曲ずつ」ということで、実際にひと月ずつ練習しては撮影を繰り返していたのですが、今年度6年担任となったため激務によりそのような余裕がなくなり、たまに撮影できそうな休日が来たら2〜3曲まとめて撮るという方法に転じてしまいました(だいたい裏の曲くらいから)。前回は1月に「鳳将雛」「曙調」「曙菅垣」「芦の調」「厂音柱の曲」を撮影したわけですが、それからはもうとにかくバタバタでした…。

…とにかくも、何とか琴古流本曲全曲を演奏し終えて、ホッとしております。

未公開の5曲は、これから解説を書いたりしますので、もう少ししてからこの春のうちに公開予定です。そして、この「10分で…」シリーズの終了に伴って、しばらく定期的なweb演奏会はいったん幕を閉じたいと考えています。

この3年間、今の家の座敷で演奏できる環境を手に入れて以来、演奏の動画公開、Facebook等により、沢山の方とお知り合いになり、自分の演奏を聴いて頂いたり、「web上で共演」などもさせて頂いたりしました。また、そこから発展して「而今の会」の結成および演奏会という、とても貴重な体験をさせて頂きました。今も、沢山のお仲間とFacebook上で三曲談議などさせて頂いたりして、とても楽しませて頂いております。

しかし、そろそろ自分も次のステップに移らなければとも、最近考えております。それはやはり「実演」。しかも、自分としての命題は「邦楽をより自然な形で、誰もが楽しめるような音楽にしていきたい」ということです。昨今、邦楽界も「人口減」「入門者減」に喘いでいるのですが、そうは言っても旧態依然とした体制を捨てきれず、純粋に「音楽を楽しむ」だけではない色々な要素が付いたままになってしまっています。それらが、音楽的価値の高い三曲の名曲たちの素晴らしさを、沢山の人々に楽しんでもらうチャンスをフイにしているとしたら、極めて勿体無いことですし、実際一人でも多くの人に関心を持ってもらって始めてもらいたいはずなのに、それに逆行する結果となってしまっている可能性があるわけです。

僕自身は、邦楽は日本の「民族音楽」として、その自然素材の響きや、日本の民族性や四季折々の風景が生み出して来た楽曲を素直に味わい楽しめるような環境を作っていきたいというのが願いだし目標です。これまでの「web演奏会」は、もちろんそうした活動の一環だったわけですが、ここで一旦一区切りします。「もうやらない」という訳ではないですし、気が向いたらまた何か演奏を上げたりとかするかもしれませんが。

「ねえ、一緒に合奏してみない?」という方、大歓迎です。もう邦楽も、型式ばらずに、どんどんフランクリーにやってかないと、どんどん廃れるばかりのような気もしますけんですね。

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