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2017年10月3日火曜日

【web演奏会】10分で琴古流本曲「目黒獅子」

36回山口籟盟web演奏会【10分で琴古流本曲(23)「目黒獅子」】
ふだんなかなか耳にする機会のない琴古流尺八本曲を、聴きやすい「10分程度」の演奏でお届けするシリーズです。


「裏の曲」3曲目は「目黒獅子」です。
『琴古手帳』によれば、一月寺の末寺で、横浜にあった青木山西向寺の門弟露秋子より伝来、露秋子が「京鈴慕」を懇望したので、初代琴古が伝授したと記されています。

曲名の末尾に「獅子」がつく楽曲としては、琴古流本曲にはこの曲の他に「栄獅子」があります。「〇〇菅垣」が糸の曲と関係が深いというエピソードは以前取り上げましたが、「〇〇獅子」も、地歌箏曲においても1ジャンルとして確立されています。尺八本曲の「獅子」がどこまで地歌の獅子物と関係があるのかは詳しくわかりませんが、地歌箏曲と尺八本曲の世界が、相互交流を持ちながら発展してきたのではないかというのは、想像に難くありません。有名な話で、「八千代獅子」は、原曲が尺八本曲だったらしいというのもあります。

「栄獅子」「目黒獅子」に共通した要素として、曲の構成に「繰り返し」や「段合わせ」などの要素が盛り込まれているというのがあります。この「目黒獅子」も、前半部と後半部が吹合せできるよう、段合わせ可能な旋律となっています。また、繰り返しフレーズの多用や、一まとまりの旋律を数回繰り返すような演出もなされています。流石に昨今の琴古流本曲の演奏スピードでは、繰り返しまで含めて全て演奏すると冗長すぎるきらいがあり、今回は繰り返しをせず、段合わせの箇所は前半部を取り上げ、10分程度の演奏にまとめました。



「山口籟盟web演奏会」は、ふだんなかなか耳にする機会のない尺八音楽を、インターネット上で公開する取り組みです。


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