第20回山口籟盟web演奏会【10分で琴古流本曲(10)-1「一閑流虚空替手」「虚空鈴慕四段」吹合せ】
前回のweb演奏会「虚空鈴慕」の吹合せは、二段と四段の段合わせでしたが、もう一つ合奏可能な手として「一閑流虚空替手」というのがあります。
「一閑流(いっかんりゅう)」とは、初代黒沢琴古高弟の宮地一閑(みやじいっかん)およびその一門のことをいい、この一門と区別する意味で、初代琴古とその一門を「琴古流」と称したようです。つまり、当時は現在の流派名とはニュアンスが異なり、「宗家を頂点とした家元制度の1グループ」というよりも「その時代の名人とその一門」というような意味であったようです。近代以降の琴古流の祖である二世荒木古童(竹翁)の師・豊田古童が、一閑流系統の山田如童、琴古流系統の久松風陽の双方に師事したため、現代の琴古流はその両流の流れを受け継ぐことになり、一閑流で手付けされた虚空の替手である「一閑流虚空替手」が琴古流において伝承されることとなりました。
通常はこの「一閑流虚空替手」は独奏で演奏され、「虚空鈴慕」と合奏する機会はあまりないのですが、今回二段と四段を録画した際に、同一のベーシックトラックに合わせて「一閑流虚空替手」も収録してみました。虚空鈴慕同士の段合わせとは違った、独特の合口や旋律の重なりがあり、面白い合奏となりましたので、web演奏会の場で公開させていただきます。
※音源をステレオで編集し、左スピーカーから虚空鈴慕四段、右スピーカーから一閑流虚空替手が出るようにしております。スピーカーの設定で、どちらか片方の音のみにすることが可能です。
第21回山口籟盟web演奏会【10分で琴古流本曲(10)-2「一閑流虚空替手」「虚空鈴慕二段」吹合せ】
前々回の虚空鈴慕二段・四段の段合わせ、一閑流虚空替手がすべて同一のベーシックトラックなので、一閑流虚空替手と虚空鈴慕二段の吹合せも編集して公開してみました。こちらもなかなか面白い合奏となりましたが、四段との合奏以上に合口が難しそうです。
※音源をステレオで編集し、左スピーカーから虚空鈴慕二段、右スピーカーから一閑流虚空替手が出るようにしております。スピーカーの設定で、どちらか片方の音のみにすることが可能です。
第22回山口籟盟web演奏会【10分で琴古流本曲(10)-3「虚空鈴慕二段」「同四段」「一閑流虚空替手」吹合せ】
すべて同一のベーシックトラックに合わせて撮影した、虚空鈴慕二段・四段、一閑流虚空替手を、同時に再生できるように編集して、虚空鈴慕の3部合奏にしてみました。実験的な試みなので「音楽的にはどうかな…?」と思っていましたが、実際に聴いてみると、意外に面白い合奏な気がしますが…、いかがでしょうか?
音の数は多いですが、うるさい感じではないですね。ただ、近代的な3重奏ではなく、あくまで段合わせが3つ重なっている演奏なので、偶発的な音の重なりも多いですね。部分的に時々「おっっっ!」と思うような箇所も、個人的にはありました。
ただ、これを実際に3人で合奏しようとすると、激しく難しいと思われます。…まあ、実際にこれが舞台にかかることはないでしょうけどね…。
以上、琴古流本曲「虚空鈴慕」の現代版・遊びシリーズでした!!
※音源をステレオで編集し、左スピーカーから虚空鈴慕二段、センターから同四段、右スピーカーから一閑流虚空替手が出るようにしております。