本日、吉村蒿盟先生の元での10年間の最後のお稽古に伺いました。
初めてお稽古に伺った時、私はまだ20歳の熊本大学の学生でした。その頃の稽古通いは、夜行バスで早朝に難波のオーキャットに到着、JR難波で電車に乗り、吉村先生のお宅に向かうというものでした。先生は月に一度通ってくる学生のために、朝から夕方まで稽古をつけて下さいました。今考えてみても、本当に贅沢な時間でした。
熊本からの毎月の通い稽古が2年半続き、関西移住が叶い、毎週稽古が始まりました。先生は「一回あたりのレッスン時間は減るけれど、毎週稽古するというのは大事な事なんだよ」とおっしゃいました。その通り、やはり毎週先生の芸に接することで、その薫りを身に染み込ませる事が出来たと思います。
その後、就職や結婚などで身を置く環境が変化しましたが、7年半の間、関西に身を置き、お稽古に通うことが出来ました。先生は常々、「尺八を吹くことよりも、吹ける環境を作ることの方が大変なんだよ」とおっしゃいましたが、本当にその通りだとわかりました。
今日のお稽古では、『残月』と『巣鶴鈴慕』を浚って頂きました。難しい曲は沢山ありますが、この二曲はそれらの中でも特別で、最後にもう一度確かめをしておきたかったのです。
毎回お伺いした先生のお宅、稽古場の和室、奥様がいれて下さった美味しいコーヒーの味…。今日まで本当にありがとうございました。これからは、自分自身で、尺八を吹ける環境を作っていかねばなりません。一生懸命頑張ります!
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