僕が使っているのは、「エーゼット 万能グリース 高速ベアリング用」という、工業用グリスです。
中継ぎグリスに関しては、色々な方にご紹介いただいて、リコーダー用やら、木管楽器用のコルクグリスやら、いろいろ試していたのですが、なかなか気にいる物がありませんでした。
そんな中、現在使用している楽器を制作されていた故・利道道仁師(熊本県阿蘇在住)にお借りした楽器のグリスが非常に素晴らしく、新品の愛管を受け取る時に何のグリスなのかお伺いしたところ出してきてくださったのが、この工業用グリスだったのです。
「工業用グリス!?」と初めは驚きを隠せませんでしたが、その「つるっ!」と入る、軋みのない感触は、これまでのどのグリスをも圧倒的に凌駕していたので、ご好意に甘えて利道さんからフィルムケースに分けて頂いて使っていました。
しかし、さすがに6年もするとこれが底を尽きかけていましたので、グリスをご紹介するにあたり、自分自身も新品を買ってみて、実際の使用感を確かめてみようと思い、本日購入してきました。
パッケージのデザインは、基本的に変わっておらず、製品の歴史を感じさせます。
肝心の中身ですが、う〜ん、やや異なっていますかねぇ…?
色が、以前のは「烏龍茶の薄い色」という感じの透明な茶色だったんですが、今回のはもうちょっと濁った色というか、片栗粉を烏龍茶に溶いたとでもいうような感じになっています。
つけた後の中継ぎの雰囲気も、以前の方が「つるっと感」が強かったような気がします。ちょっとだけ「さらっ」としている感じです。
まあしかし、どのみち以前のは殆ど切れてしまっているので、このグリスを使用していこうと思います。使い心地は悪くないです。
裏の注意書きを初めて見ました。
なんと、「素手では触らないように」になっています!
これまで、ずっと薬指で塗ってました。
塗った後は、すぐに石鹸で洗っていますが。
…結局、いつものように薬指で塗ってしまいました。
余談ですが、利道さんがおっしゃるには、1週間に一度は完全に拭き取って塗り直した方がいいそうです。中継ぎに着いたゴミ等で、滑りが悪くなったり、中継ぎが汚れると音にも影響がある(?)とのこと。僕の場合、完全に週一回ではないですが、「中継ぎが滑りが悪くなってきたな」と思ったら、ティッシュで拭き取って塗り直し、同時に尺八に椿油を塗ることにしています。
利道さんによれば、椿油も「塗った後の拭き取り」が大事だそうで、僕もベトベトのままにせず、必ずキッチンペーパーで拭き取っています。オイルを塗ると「ツヤが消える」のは、拭き取らないからだそうで、「染み込ませよう」と思ってベタベタのまま置いておくのは逆効果で、ツヤがなくなるんだそうです。