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2016年3月30日水曜日

筑前琵琶曲「あつもり」演奏します!!

Facebookでお知り合いになった、柳川篠笛会の久保さんが開催される、こちらの会に出演させて頂くことになりましたので、ご案内いたします。


先日合奏を試みた、筑前琵琶「あつもり」を、石橋旭姫さんとご一緒に演奏します。「筑前琵琶・琴古流尺八の合奏」新しい試みに挑戦を始めたところに、ちょうどこのような機会を頂けて、大変嬉しく思います。


入場無料、おしゃれな会場に、色んな邦楽器が一同に会する場になっております。邦楽をされている方も、演奏はされていなくても和楽器に興味のある方も、是非お越しいただければうれしいです。


因みに、琵琶との合奏の後、フリー演奏の時間に、もう一曲、琴古流尺八本曲「巣鶴鈴慕(鶴の巣籠)」も演奏させて頂きます。何卒足をお運び下さいますよう、ご案内申し上げます。



4月10日(日曜日)13時から
場所 柳川京町 KATARO Bace 32 小川楽器となり
詳しくはチラシをご覧下さい。

主催者より〜
篠笛・尺八・文化箏・三線などの和楽器を演奏し、ゲストとして筑前琵琶も演奏してもらいます。入場無料ですので多くの方に来て、聴いてもらいたいと思ってます。多くの方に来てもらいたいのでシェアーお願いします。

2016年3月28日月曜日

石橋旭姫さんと初合奏

本日午後、橘流筑前琵琶大師範の石橋旭姫さんをお訪ねし、
「あつもり」を合奏させて頂きました。



みやま市ののどかな山々に囲まれた素敵なお宅でした。
琴古流尺八と筑前琵琶の二つの芸系が、ともに福岡とゆかりが
あるのと同時に、修行時代の思い出や日々の興味関心など
多くの共通項もあり、色々なお話も盛り上がりました。

「あつもり」の尺八の手は、今日の午前中自宅でようやく仕上げ、
持参することが出来ました。
合わせていただく中で、琵琶の手が消えて歌だけになるところにも
積極的に尺八を入れていこうということになり、
特に合戦のシーンに本曲の手などを入れてみました。
大海原に平家の舟がたくさん浮かんでいるシーンには、
吟龍虚空の手を引用してみました。

石橋さんは、本当に声量豊かでとてもお上手な方で、
琵琶についてもたくさんのことを教えて頂き、大変勉強になりました。
それと同時に曲の仕上げや音楽の解釈、お互いの楽器の特性など、
率直に意見交換させていただき、「一緒に音楽を作り上げていく」
というよろこびを味わわせて頂きました。

バンドとか、ユニットとかでメンバーの間で共有しているであろう
「音楽仲間」という雰囲気を感じることができました。
本当に幸せなひとときでした。

2016年3月21日月曜日

不動岩

熊本県七城町の温泉に向かう途中、奇岩の絶景を発見。



山鹿市三玉地区の蒲生にある、「不動岩」です。この不動岩は、5億年以上も前の古生代の『変はんれい岩』からできたもので、まだ日本列島の形すらできていない時代のものだそうです。 

この変はんれい岩が気の遠くなる年月をかけて崩れて海に流され、海水に洗われ丸い小石や砂(さざれ石)になり、そのさざれ石が海底に厚く積み重なって強い圧力を受け岩磐となり、その周囲が削り取られてできたのだそうです。国歌「君が代」の歌詞にある「さざれ石の巌(いわお)」の言葉どおりですね!



因みに、その名前は平安時代、山伏たちがこの山中にこもり、不動明王を本尊として祀り修行したことに由来するとのこと。

みかん畑の間のつづら折りの細い農道をくねくね登っていくと、3つの不動岩のなかの「前不動」の麓に到着しました。本当に、見上げるほど大きいです。国歌の歌詞どおり、苔むしていました。何だか、体が浄化されるような、不思議な気分でした。





拝殿が壊れてしまったようで失われていましたが、隣に仮の拝殿があり、本尊の不動明王が安置されていました。家族の安全と芸の精進を祈願させて頂きました。周りに、修復用の建材が並べてありました。



それから、ここからの景色が最高でした。今日はいい天気だったので、青空と岩のコントラストが美しく、さらに遠景を見渡せば、遠く金峰山の方まで望むことができました。「虚空鈴慕」が空いっぱいに響き渡りそうな世界でした。


2016年3月20日日曜日

【web演奏会】10分で琴古流本曲「転菅垣」

気がつけば、もう3月も下旬にさしかかりますね。
気候も暖かくなり、本当に春らしくなってきました。

さて、「1ヶ月に1曲」と決めた「10分で琴古流本曲」シリーズ、
3月は「転菅垣(ころすががき)」をお届けいたします。
琴古流本曲の表の4曲目となります。

この曲は、前半部分と後半部分が吹合せできるのが特徴で、
今回は多重録画で、吹合せを再現してみました。

映像も含めた重ね録りは2回目になりますが、結構難しいですね。
純粋に演奏だけに集中するのではなく、
「編集したときに合ってる」ように吹くのに神経を使いました。
三曲合奏や実際の吹合せのように、横に合奏相手の存在感が
ないのも、独特な雰囲気ですね。
しかも、映像の編集に慣れていないので、
収録後はMacとの格闘となりました。
今回、向かって左側の曲前半パートの方が日差しが暗めだったので
少し明るくしようといじってみたら、
見事に失敗して逆効果になってしまいました。
…それ以外は、音も含めて特別な操作はしていませんが。
映像の編集や書き出しなどは、マシンパワーも必要なのか、
とても時間がかかりますね。


そんなこんなで、演奏以外のところであたふたしてしまいましたが、
どうにか形になりましたので、アップロードさせていただきました。
ご視聴頂けましたら、幸いです。


2016年3月12日土曜日

筑前琵琶の曲の手付け

ご縁があって、筑前琵琶の方から楽譜を紹介して頂き、
尺八の手付けをさせて頂いております。




ふだん耳慣れている地歌箏曲とは、また違った趣があり、
面白いです。
歌というか、語りに対して手がついている感じで、
拍子の雰囲気も地歌とは違いますね。
馬に乗って駆けていくような、躍動感のある手もあります。
これまで、琴古流の三曲合奏で培ってきたニュアンスを生かしながら、
琵琶楽ならではの新しい表現方法も探っていきたいと思います。


意外だったのが、琵琶譜の横線が、三味線の文化譜のように
「糸」を表しているのではなく、
ギターで言えばフレットにあたる「柱」というポジションを
表しているということです。
偶然にも、琵琶の弦の数と同じなのですが(5弦だそうです)。
どの弦かを表すのは、線の上の丸印の種類で表すそうです
(黒丸だったり、三角だったり…)。


ちなみに、われわれ三曲界の人間は、つい「柱」とあると
箏のように「ぢ」と読んでしまいやすいですが、
琵琶では「ぢゅう」と読むのだそうです。おもしろいですね。


調弦の仕方などの資料も頂きましたので、
色々勉強していきたいです。
ふだん中々ご一緒しない邦楽器どうしの交流は、
とても新鮮で楽しいです。





ちなみに、筑前琵琶と琴古流は、ともに福岡県と縁深い芸能
という共通点があります。

中世の盲僧琵琶の頃から、琵琶は薩摩と筑前を中心に伝えられて
きたそうなのですが、そのうち筑前盲僧琵琶から宗教性を脱し、
家庭音楽として発展してきたのが筑前琵琶とのこと。
その成立・発展には、福岡藩士の娘である吉田竹子女史の活躍
が重要な役割を果たしたということです。

一方、琴古流尺八の流祖である、初代黒沢琴古(1710〜1771)
もまた福岡黒田藩士であり、琴古流尺八本曲中の重要な楽曲、
「古伝三曲」や「鹿の遠音」「波間鈴慕」などは、琴古が19歳
のとき、長崎の正寿軒という虚無僧寺で伝授されたもの。
その出発点は九州・福岡であるということもできるように思います。



これまで、あまり多くの関わりを持って来なかった、筑前琵琶と
琴古流尺八。有意義な交流ができたらいいなと思います。